9・11テロ事件が起きた時は、私はまだ高校生だった。学校に行く前に、家で朝ごはんを食べながらテレビを見ようと思って、つけてみたら、信じられないぐらいひどい画像が映っていた。最初は「これ、映画?冗談だよね??」と思ったけど、冗談ではなかった。
事件から8年後の今でも、私にとってその日のことは夢のように感じる。その当時遠く離れているところにいたせいか、実際に起きた事件のようには感じない。でも先週、医学部の教授の講義を聞いて、現場にいた人の思いが少し分かったと思う。
事件が起きた日、医学部の教授から今の私みたいな一年生の医学生までみんな、自分にできることがあるかもしれないと思って、急いで病院に集まって行った。コーネル大学病院はニューヨークで有名な熱傷専門医がたくさんいるので、患者さんが現場からコーネルに運ばれてくるのだろうとみんなが思っていたらしい。しかし、ずっと待機していたけど、患者さんは数十人しか運ばれてこなかった。重い怪我を負った人達はほとんど怪我がひどすぎて、現場で死んでしまったようだった。そして、世界貿易センターのビルが倒れた時、コーネルから出動された救急車がすでに現場に着いていたので、救急隊員も何人も瓦礫の下に埋まってしまって、なくなった。
教授の話を聞いて、現場の写真を見ながら、色々な人の目を借りて、その日のことを想像することが少しできた。世界貿易センターで仕事をしている人達と救助隊の人達の恐怖。その被害者のご家族の心配と悲しみ。仲間が現場でひどい目にあったのに、何もできない医療チームの絶望感。
広島の平和記念試料館で爆弾被害者の手記を読んだ時と同じ感覚だった。被害者の気持ちをどんなに想像しようとしても、その人達がどんなに怖かったのか、どれほど深く傷つけられたのかというのは他人には理解できない。でもだからといって、そういうことを想像してもしょうがないというわけではないと思う。完全に理解ができなくても、他の人の気持ちを想像しようとする努力自体には意味があると思う。たくさんの人々の理解しようとする努力は被害者のご家族の小さい癒しになると思うし、9・11のような悲惨な事件が二度と起こらないための第一歩にもなるのではないかと私は思います。ニューヨークに来て、こういうことを考える機会が与えられてよかったです。
事件に深く傷つけられた人達がこれからも毎日少しずつ癒されますように祈っています。
Friday, September 11, 2009
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3 comments:
共感力と想像力があれば、、、
皆の心がもっとしなやかになれば
きっと平和な世の中が広がると、
信じているのです。
ヒロシマもツインタワーも、
中東の国もアフリカの国も。
でも昔は戦国時代だったり
世界中の国で戦争を繰り返して
いたことを思うと、
残虐な兵器を開発したにせよ、
戦闘はおさまってきていて、
人間の世界は比較的
文化的になってきているのでは
ないかと思うのです。
Hi Lindsay!
モントリオール(初の海外)行ってきましたよ---戦争といえば近くの広場にネルソン提督の像があって、フランス圏のカナダにイギリスのネルソンの像があったのは不思議でした。なんでもそこで昔大きな戦闘があったとか。
9月はなんだかついていて、モントリオールの学会でawardをもらったり、四国の大学対抗のソフトボールでまたまた優勝したり、学位論文のリバイスが返ってきたりと良いことばっかりです。
近況報告でごめんなさい・・・
リンジーさんは順調ですか?
樫林拝
Masaへ
そうですね。世界が比較的平和になってきているんですね。そういう傾向がこれからも続きますように!
樫林先生へ
学会のaward、ソフトの優勝、学位論文のことおめでとうございます!さすが樫林先生。(^_^)
私も順調ですよ。先週、今学期初めての試験が無事に終わりました。次の試験まで、暇な時間が少しあるから、寮で友達とビリヤードを楽しんでいます。(^^)v
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